【なあなあ四方山話】(第13回)
今年も“もう11月”。
「残りあと2か月かぁ~」、毎年のことですが、そんな呟きがつい出る
季節になってきました。
出勤時、コートを着たり、マフラーをしている人も見かけるようになり、
寒さも少しずつ冬に向かっているのを感じます。
体調を壊されませんよう、くれぐれもご注意ください。
それでは【なあなあ四方山話】第13回をお届けいたします。
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自分を駆り立てているものは???
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先日、人事関係のある人と話をしているときにOJTの話になりました。
“なかなか部下を育成するのは難しい”といった愚痴から始まり、
“我々の若い頃は”というお決まりのコースに・・・。
そんな話をした後に、またまた私の若い頃の話で恐縮ですが、こんなことを思い出し
ました。
1970年代の中ごろ、当時は企業研修が華やかな時代で、私も駆け出しの研修担当
として
研修寮での仕事をしていたころのことです。
企業内研修がメインでしたから、各部門長が講義をするということが頻繁にありまし
た。
講義が終わると私は講師にお茶を入れて、ちょっと休んでいただくようにしていまし
た。
それで対応はOKと思っていたのですが、上司からこんな一言が・・・。
「秋山君、いつも日本茶だけど、本当に○○部長はそれで寛げているのかな?」
私の反応は「・・・、どこがダメなの???」と心の中で呟くだけでした。
上司の言われ方にもちょっとカチンときたのですが、それよりも出来ていないことを
そのままにしておくことの方が気持ち悪い感じでした。
そこで、その部長の担当の方に情報収集。
「○○部長は、ちょっと疲れているときには、どんな飲み物を出されるんですか?」
答は、
「紅茶ですよ。香りがするくらいだけどちょっとブランデーを入れてね。」
そんなやりとりのあと、再び○○部長の講義の機会がありました。
私は、さりげなく紅茶に、さすがにブランデーは手に入れられなかったので、
近所の酒屋で買ったウイスキー(ホワイトのミニボトル)を
気持ちだけ注いだものをお出ししました。
何と部長は、ニッコリ笑顔でいつもより寛がれた様子でした。
上司からのちょっとカチンときたアドバイスでしたが、その後、事務所でお会いする
時も
気軽に声を掛けてくれるようになりました。
ここまでの話ですと、なるほどそういう上司からの投げかけも大切なんだな、
ということになります。
それもその通りなんですが、今回お伝えしたかったのは、私の行動パターンの話なん
です。
(肩すかしでスミマセン)
私はどうも若いころから、人に何か足りないことを指摘されたりすると、放っておけ
ない、
黙ってじっとしていられないタイプなんです。
今回のエピソードも実はそんな私の性格がちょっとよい方向に出ただけのように今は
思えます。
人は小さい頃から親やそれに代わる人から躾を受けてきます。
「あれは危ないからやっちゃいけない」
「人に迷惑をかけちゃいけない」
「物事は責任をもってやらなきゃダメ」
こんなことを言われて育つのですが、その中で大人になっても何かに直面すると
駆り立てられるように行動してしまうことがあります。
交流分析ではこれを「ドライバー」と呼びます。
ドライバーには、次のようなものがあります。
「完全であれ」:とにかくミスは許されない。人に任せられない。
「強くあれ」 :弱音を吐かない。とにかく頑張る。喜怒哀楽を表さない
(男は人前で泣かない)。
「努力せよ」 :いつもいつも目標に向かって一所懸命努力する。
目標を達成するとすぐに次の目標を設定する。
「喜ばせよ」 :周りの人にいつも気を遣い、無理をしてしまう。
頼まれるとイヤと言えない
「急げ」 :スピード第一。とにかく急いで行動し、結論を出そうとする。
そして、強く現れる一つか、二つのドライバーを人は誰でも持っていると言われてい
ます。
私は、「完全であれ」と「努力せよ」というドライバーを持っています。
もちろん今回お伝えしたエピソードのように適当な程度で現れれば、
これらはどれも日常生活に上手く適合するために必要なことです。
ただし、これが過剰に、まさしく駆り立てられるように作用してしまうと、
何かチグハグな感じがしたり、周りとうまくかみ合わなかったりしてしまいます。
場合によっては、本人はそのことに気づいていないことさえあります。
あなたはどんなドライバーを持っていますか?
これに気づいているだけで、ちょっと過剰になる自分自身の対応にブレークをかける
ことができます。
「過去と他人は変えられない」
まずは自分に気づき、そして、それを少し変えてみると周りの人との関係性も変わっ
ていくと思います。
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